感染性ポリオウイルスのワクチンなど廃棄を-厚労省が通知、医療機関など対象
医療介護CBニュース 12月15日 12時54分配信
厚生労働省は、ワクチンや臨床検体などに使われていた感染性のあるポリオウイルスを廃棄する方針を決め、都道府県などに対し、医療機関や研究機関に周知するよう通知した。ポリオ根絶に向けた計画を進めているWHO(世界保健機関)がポリオウイルスの廃棄や保有施設のリスト提出を求めていることを受けての措置。【新井哉】
ポリオは、ポリオウイルスが人の口の中に入り、腸の中で増えることで感染。このポリオウイルスが便の中に排泄され、便を介して他の人にも感染する。乳幼児が罹患することが多く、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺が現れ、その麻痺が残ることもある。予防はワクチン接種が有効とされている。
数年前まで使用されていた経口の生ワクチンでは、飲んだ人の便から1-2カ月ほど弱毒のウイルスが排出され、免疫のない人の口に入った場合、ポリオと同じ症状が出る可能性があった。
今回、厚労省が廃棄を求めているのは、こうした感染性のある2型ワクチン株ポリオウイルスを含む経口ポリオ生ワクチンや、2型野生株ポリオウイルスの臨床検体などの材料。
2型野生株ポリオウイルスを含む材料について、厚労省は、遅くとも来年1月末までに減菌した上で破棄するよう要望。2型ワクチン株ポリオウイルスを含む材料も来年7月末までに「感染性廃棄物として適切に廃棄する」としている。
廃棄の期限以降、感染性のあるポリオウイルスを含む材料を保管する必要がある場合は、施設の責任者が厚労省健康局結核感染症課に連絡するよう求めている。
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