お金のための研究の話(転載)
お金のための研究の話
ある製薬会社が某大学の医学部の教授に、
毎年高額の研究費を出していました。
まあ、この意味合いは、
政治家に対する政治献金と一緒なのですね。
自分の所の薬の効果を立証するような研究成果を、
発表してもらうことを、
暗に期待している訳です。
ただ、勿論大っぴらにそうは言えません。
言えば政治家と同じで、
贈収賄事件になってしまいます。
ただ、何を研究するのも、
その教授先生の自由ですから、
たまたま結果として、
その製薬会社の薬にメリットになる、
結果が出るのは問題はない訳です。
で、この教授先生は何年もお金をもらっていて、
その製薬会社の薬に関わる研究は、
ただの1つもやっていなかったのです。
これはまあ、正当なことですよね。
そんな義務はないんですから。
ただ、人間的に見ると、
ちょっと変わった人ではあるな、
と言うことは出来ます。
何も相手に対しての見返りもなく、
それに対しての労働もなく、
ただお金をもらうことは、
何となく後ろめたく感じることの方が、
一般的な人間の心理だからです。
製薬会社の方はあまり面白くはありません。
それで暗にその教授先生に言いました。
「先生、○○という薬の効果については如何お考えになりますか?」
「ああ。いい薬だと思っとるよ」
「最近、この薬が腎機能を保護するのではないか、と言われておりまして」
「そのようだね」
「ただ、あまり良いデータがないんですよ」
「そりゃ、なかなかね」
「先生の研究室で、そうした実験をされるご予定は」
「しかし、露骨にそれはまずいだろ」
「勿論です、先生。
でも、私どもも、経営環境の厳しい中で、
先生にご協力させて頂いている訳で、
それを継続するためには、
それなりのことがございませんと、
上への説得もどうも…」
「それは来年は金を出さんという意味か?」
「いえ、そうと決まった訳では」
「分かった、すぐ取り掛かるぞ」
概ねこのような遣り取りがあり、
その半年後、
唐突に大新聞に記事が載ります。
「○○の腎機能保護のメカニズムが解明さる」
記事を読むと、
その教授先生の研究により、
○○という薬の画期的作用が解明された、
と書かれています。
ところが、学会で発表された訳でもなく、
論文になったとも書かれていません。
要するに出所が何も書いていない記事なのです。
このような形で、
この教授先生は、
製薬会社からの研究費の継続に成功したのです。
細部は変えていますが、
これは事実です。
マスメディアの医学記事の中には、
結構こうした誰かに当てた暗号のようなものが、
含まれているのです。
そう考えると、報道とは奥深いものですね。
同時に愚劣で、馬鹿馬鹿しいものでもあります。
前記事・研究のためのお金
(VPD)日赤医療センター小児科顧問の薗部友良委員ら、製薬会社から金銭受け取り申告せず
子宮頸がんワクチンの厚労省審議委員会
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140602-00010000-kinyobi-soci
… 委員に寄付金や講演の謝礼などを支払っていた製薬企業はグラクソ・スミスクライン(株)と、MSD(株)。
同ワクチンを成長事業と位置づける両社にとり、定期接種再開の是非は営業利益に直結する。
『子宮頸がん:ワクチン委員、金銭受け取り申告せず』 毎日新聞 http://mainichi.jp/select/news/20140426k0000m040078000c.html …「薗部友良委員はグラクソから約80万円の講演料を、部会長を務める国際医療福祉大の桃井真里子副学長は「ガーダシル」を製造販売するMSDから11万円の講演料を受け取っていた」
(東京新聞4月25日社会)②厚労省より、日赤医療センター小児科顧問の薗部友良委員は子宮頸がんワクチン「サーバリックス」のGSKから約80万円の講演料を、部会長の桃井真里子副学長は「ガーダシル」のMSDから約11万円の講演料を受取る。

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