「子宮頸癌ワクチンは、心肺蘇生装置を用意して接種するのが望ましい」
2013年3月22日 15時44分 | カテゴリー: 活動報告
前回からの続きです。
この間に動きがあり、杉並区の女子中学生に重篤な副反応が起きている報道をきっかけに、全国の被害者が声を挙げ始めました。練馬区、八王子市、長野県、富山県、名古屋市などからの被害報告を受けて、「全国子宮頸癌ワクチン被害者連絡会」が発足することになりました。3月25日(月)14時から永田町の星陵会館で開かれる記者会見には、趣旨に賛同する市民の参加も歓迎するそうです。
そもそもワクチンとは、誰のためにあるのか?
本来は、一人ひとりのいのち、健康を守るため。医療の現場でインフォームド・コンセントが義務付けられているように、副反応、副作用などのリスクを理解したうえで、自分自身が、自分の健康を守るために、望んで受けるべきものです。
けれども、非常に感染力の強い病気が発生した場合、社会的影響を考えて、接種が義務付けられることがあります。それが「法定接種」の意味だと思います。ところが、「子宮頸がん予防ワクチン」が予防するHPV感染症は、空気感染もせず、当然パンデミックを起こすことなどありえず、致死率が高いわけでもない、ありふれた性感染症です。感染した場合でもほとんどは自然に治ってしまい、「がん」に変化するのはごく低い確率(0.15%)で、しかも長い時間がかかるため、定期健診で十分早期に発見できるとされています。100種類あるとされるウイルスの中で、「サーバリックス」が予防するのはハイリスクの2種類、「ガーダシル」が予防するのは4種類に過ぎません。予防効果が何年持続するかもわかっていません。その一方で、副反応が1088件(2012年10月現在)報告され、そのうち重篤が96例。激痛を伴い、失神者が出る可能性も高いため、座って接種すること、接種後30分は安静にすることが求められています。山内れい子の緊急都政フォーラムで講師をお願いした武田玲子先生は「心肺蘇生装置を用意して接種するのが望ましい、なんて書かれたワクチンがこれまでにあったでしょうか?」と話されましたが、本当にこのおかしさを考えてみるべきです。
現在開会中の国会で小児用肺炎球菌とインフルエンザ菌b型(ヒブ)と共に子宮頸がんワクチンを定期接種とする改正案が可決する見通しですが、実際に接種義務を担う基礎自治体は、このことを「国が決めたことだから」とせず、少なくとも、公正なリスクとベネフィット(効果)の説明義務を自治体として果たし、さらに医師にも課すなかで、自己決定する権利を保障するべきではないでしょうか?
原発とワクチンは、
① リスクを含めた公平・公正な情報公開、周知徹底が行われていないこと
② 審議する委員会が推進の立場に偏っていること
③ 巨大資本が利する構造であること
④ そこに政府が加担して国民的議論が行われないまま税金が投入されること
という点でとても似ています。
東京電力福島第一原子力発電所の核燃料プールの冷却システムが停電によってストップしましたが、これが他の原発で起こらない可能性はどこにもありません。一匹のネズミが巨大なシステムを破綻させ、カタストロフィを起こす危険性は、いま私たちの傍に、いえ、私たちの中に、あるのです。がんを、病気を撲滅するために、人工物をからだの中に入れることの怖ろしさを、私たちは謙虚に見つめ、考えなければいけないと思います。
そして、相手が何であっても、自分の心と身体に関して「嫌なものは嫌」と拒否する権利を手放してはいけない。自治体は、国は、憲法に規定された精神の、身体の「自由」を保障しなければいけません。
おかしいものを「おかしい」と言い続ける一人ひとりの勇気が、社会正義をつくっていくのだと思います。
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