子宮頸がんワクチン接種呼びかけ中止へ
nhk.jp/N47y6QMY厚生労働省専門家会議「接種のあと体中の痛みを訴えるケースが30例以上報告され、
回復していない事例もある。
この副作用は原因不明のため積極的に接種を呼びかけるのを一時、中止すべき」
子宮頸がん:接種勧めず ワクチン副作用検証へ 厚労省
毎日新聞 2013年06月14日 21時43分(最終更新 06月15日 03時42分)
4月から予防接種法に基づく定期接種が始まった子宮頸(けい)がんワクチンについて、厚生労働省の専門家検討会は14日、接種後に体に痛みを訴える中高生らが相次いでいることを受け、積極的に接種を勧めることを一時差し控えることを決めた。厚労省は定期接種自体は中止せず、原因や症例を詳しく調べる。定期接種の積極勧奨を控えるのは2005年の日本脳炎に次いで2例目。
定期接種を受けることは同法で国民の努力義務となっている。厚労省は接種対象者に対する予診票の郵送を見合わせるよう自治体に通知した。医療機関にも接種を勧めていないことを説明するよう求める。
子宮頸がんワクチンは販売開始から今年3月末までに推計328万人が接種している。検討会には全身や体の広範囲が痛む症例が43例報告され、うち11例は未回復だった。日本より先に接種が始まった海外で、重篤な体の痛みを訴える副作用が計108例あることも報告された。
検討会の委員らは▽ワクチンを承認する際、副作用として体に痛みが出ることが検証されていない▽何が原因でどの程度回復するのかなどのデータがない−−などと判断。体が痛む副作用の発症率は低いものの、定期接種には十分な安全確保が求められるため、積極的な勧奨を控えることを決めた。子宮頸がん防止のために接種を希望する人がいることも考慮し、定期接種は継続することとした。【桐野耕一】
◇【ことば】子宮頸(けい)がんワクチン
子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスのうち、発がん性の高い2タイプの感染を防ぐとされるワクチン。2009年12月発売の「サーバリックス」と11年8月発売の「ガーダシル」の2種類がある。主に性交渉で感染するが、感染後はワクチンの効果がないため、小学6年〜高校1年生が定期接種の対象となっている。接種回数は1人計3回。欧米各国でも公的接種として導入されている。
◇厚労省が方針変更 有効性と安全 ジレンマ
年間約2700人が死亡している子宮頸がんの予防に有効と期待されたワクチンを巡る方針が大きく変わった。定期接種は継続するが、積極的な推奨はしないという、一見矛盾した対応に戸惑う声が上がるのは確実だ。
接種との因果関係が証明された死亡例はない。推計300万人超の接種者のうち、問題となった体の痛みの報告例は43件。「これまで通り定期接種を行うべきだ」と主張する専門家も少なくない。
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