2012/04/08 20:45
外資系製薬会社MSD(株)は昨年5月頃、二回目の明らかな
公正取引規約違反の営業活動が発覚した。
製薬協は同社に対して除名の一歩手前の「権利停止」の処分
を下し、MSD(株)は記者会見で社員の意識改革に努力するとの
姿勢を表明した。
はたしてMSD(株)は1年の月日の間に、コンプライアンス違反を
起こさない製薬会社として変わったのだろうか?
偶然、若いMSDのMRの方と知り合う機会があったが、営業では
相変わらず恫喝管理、パワハラ営業が横行しているという。
営業社員(MR)に対して上司が厳しい販売計画達成の追及を
するのは、どの製薬会社も同じである。しかし、製薬協から厳しい
処分を受けた以上は、社内の管理体制は変革が求められるのに
、私の得た複数の情報ではそれ程顕著な社内改革が行なわれた
とは思われない。
私はMSD(株)に対して、コンプライアンス違反に関して、過去の
シェリングプラウ時代の、医師会会費横領・代理店へのリべート未
払い等の再検討を何度も求めたが、全く無視されたままである。
シェリングプラウは昭和52年には毎日新聞スクープ&公明党
・大橋議員による金権セールス追及の事件、平成11年には防
衛医科大学・内科教授への1億円贈賄事件等の前科がある。
二つの事件は時間的にはかい離しているが、「売り上げを伸ばさ
ないと、社員は飯が食えなくなる!」というトップからの営業指令が
社会的な事件を招いたことでは共通しているし、最高責任者が辞任
しなかったことでも共通している。
昨年のMSD(株)公正取引規約違反事件でも、社長が製薬協の役
員を降りはしたが、社長職辞任はしていない。
結局、MSDの米国本社は日本法人がトラブルを起こしても、それを
容認する体質だとしか思えない。
平成11年の防衛医科大学事件当時のシェリングプラウ社長は
鳥居一男氏(現在ベーリンガー・インゲルハイム社長)だった。
彼は教授への贈賄に関して大きく関与したと思われるが、辞任せず
、それどころかレべトール・クラリチンのいった新薬販売で会社の巻き
返しを陣頭指揮した。
外資系製薬会社のトップは本社の意向が最優先で、少々コンプライ
アンス違反がバレてもノ―プロブラム(大丈夫)という事なのだ。
私は遅かれ早かれ、MSD(株)が製薬協の処分解除となっても、
いずれ再度、問題を起こすのではないかと見ている。
生命医薬品を扱う会社がルール違反の営業を行なうことに関して
、厚生労働省や経済通産省はもっと厳しい姿勢が望まれる。
参考 御影暢雄著「外資系ブラック製薬会社」
自費出版 1500円(送料含む)
より転載
【ビジネスの裏側】
似た名称で誤薬事故 変えない外資系、先発なのに譲った大日本住友製薬の理由 - MSN産経ニュース
sankei.jp.msn.com/west/west_econ… 外資系製薬会社は患者に冷たいねぇ。譲った大日本は評価されてしかるべき。 via Tweet Button
2012.12.29 12:23
大日本住友が、旧アルマールを発売したのは昭和60(1985)年。ピーク時の平成3(1991)年には売上高100億円を記録したが、発売から30年近くたち、23年度の売上高は24億円に縮小している。
一方、アマリールは仏製薬大手の日本法人、
サノフィ・アベンティス(東京)が販売する糖尿病治療薬で12年から販売。23年度の売上高は232億円だった。
今回の対応をめぐって、厚労省の「医薬品・医療機器等対策部会」の会合では、有識者の委員から
「本来なら(高リスクの)アマリールが(販売名を)変えるべきであるにもかかわらず、アルマールの方が対応したことは評価すべきだ」との声が上がった。 同省医薬食品局安全対策課の担当者も「医療安全への英断で、非常に感謝している」と評価する。
「医は仁術」というなら、医薬品業界にも仁は必要なはず。アルマールの販売名変更は一つの具体例のようだ。木野さんは「収益に直結する仕事ではありませんが、正しいことをしたという達成感があり、社に誇りも持てました」と話している