サルでもわかる「ノバルティスの臨床研究不正事件」
2014年6月
ディオバン臨床不正事件
ディオバンの問題でとうとう逮捕者が出てしまいましたね・・。
現場で働く薬剤師の皆さんなら、メーカー主催の勉強会でこう思ったことはないですか?
「これって、自社製品にとって都合のいいデータばかり見せてんじゃないの?(笑)」
統計データって見せ方でどうにでもできるんですよね。
グラフの目盛りを変えるだけですごく効果が出たみたいに見せることも可能です。
要は作図の技術で、かなりの部分お化粧できるということです。
でも今回のディオバン事件はちょっと事情が異なります。
1、何が問題か?
問題1、利益相反
ノバルティスの社員が身分を隠して、ディオバンの優位性を確認する論文実験に加わっていた。
⇒たとえて言うなら、受験の問題の採点を受験生自身に行わせていたのと同じことですね。
しかも自分が受験生でないふりをして、採点側に回っていた。
不正行為をするつもりがなくても、倫理的に問題がありますよね?
普通は利害関係のない第三者が行うべきです。
問題2、論文データの改ざん
問題1で指摘したように、受験生に自分の答案を採点させている状態を想像して下さい。
まあ、そうした状況でやることはひとつですよね?
そう、自分の点数が上がるように答案用紙を消しゴムで消して書き直してました!
さらに、ディオバンを服用していないグループの脳卒中発生件数も改ざんしていたことがわかっています。
つまり、自分以外の受験生の採点にも手を加えて、正解でも×にして点数を下げていたということです。
問題3、利益供与
ノバルティス側から研究に参加してくれる大学に多額の寄付金が渡っていた。また対象患者確保の勉強会の費用もノバルティスが負担し
医師個人にも講演の謝礼を支払っていた。
これは、採点者の所属する組織に寄付金を渡して、採点者自身にもお小遣いを渡していたのと同じですね。
2、ノバルティスファーマの罪
今回の事件(とうとう逮捕者が出てしまいました)は非常に重大な問題を含んでいます。
続きはサルでもわかる「ノバルティスの臨床研究不正事件」先で
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